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和鏡

 
久しぶりに藤原時代の鏡を買う。
芒や菊が乱れ咲いているなかに二羽の鳥が遊ぶその背面の図柄は、小さな雨粒が水面にひとつふたつと落ちてそれぞれの波紋が広がってゆくように優美でやわらかい。
当時の貴族の好みを反映している。
窓からの自然光をあてて淡いレリーフであらわされた鳥や秋草が浮きたつと、それはすぐに消えてしまいそうな趣きに、

嗚呼ゝ
となったり、

よよよ、、
と毎度毎度なったりするので、私にも半滴くらいの分量で平安貴族の血が流れているかもわからない。