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平成


空気が澄んで、空が藍色のように見えるくらいよく晴れた秋の日の休日の午後に家の近所を散歩する。
店の花器に入れる草を歩道の植え込みに探したり、大谷石や煉瓦の塀、木造アパートのモルタルの壁を愛でたりしながら歩く。
不意に飛行機が頭上近くを通り過ぎる音がする。
見上げると飛行機は、意外にも目を凝らして探さないと見えないくらいの小さな銀の点に光って空高くを飛んでいる。
自分が生まれ育った頃の記憶にある昭和の風景は懐かしく愛着があるのだが、これから何年も先になれば平成らしいと言われるものにもそのような感情が湧くのだろうか、と想像してみる。