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草の事情


近所の小学校の校舎裏に数年前までは春になると茎の細い小さな菜の花や紫大根、烏のエンドウなどが咲き競っていた。
植えて育てているものではないので、花器に生けたいから、と、裏門の守衛さんにことわれば、柵から手を差し伸ばして収穫できる重宝な場所だった。
それらの花々の割合が年毎にだんだんと少なくなってきて、一昨年あたりからは稲のような地味な草ばかりになった。
生けるには見過ごすようなその稲のような草を、これ以外の草花には挿し替えられない、と思えるほどに生けこなしているひとのSNSの投稿を見つけて、たいへん感心した。

別の場所では反対の現象も見られ、以前は稲のような草と猫じゃらしばかりだと思い込んでいた街路樹の根元に、いつの間にか白いニラの花が混じるようになり、今では4月になるとたくさんの星型の花を太陽に向けている。
土に合ってくるのだろうか。
梅雨入りが近づくころには、そこにトキワツユクサも数本見られた。
毎年同じ草が生えるとは限らない。

どくだみは、日陰で少し湿ったところを好むと思っていたのに、最近ではよく陽のあたるところにも勢力をのばしているよう。
でも日陰のどくだみのほうが日向のよりも花弁(*下記)の白さが際立っている。

*正確には中央の黄色い部分が花で、4枚の白いものは花弁ではない