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2022

 


年が明けました。
昨年も無事に過ごすことができましたこと、感謝申し上げます。
変わらず出先のことが多く、営業日は少ないですが、皆さまにお楽しみいただけますよう品物を探したいと思っております。
こちらの投稿も、アボガドと大林のほかに古美術にまつわる投稿ができなくては、、と思っています。 

本年もどうぞよろしくお願いいたします。


1月 2日  晴れ

2021年 11月 某日 晴れ

まだ一度も拝観したことのない法華寺の十一面観音がご開帳されていたので訪ねてみる。
和辻哲郎の古寺巡礼や、仏像の古い写真集や展覧会の図録からは、平安時代初期彫刻の特徴の、濃い香り放つような熟した量感を感じていたが、思いのほかずっと小ぶりで可憐な像に思った。
蓮の葉をめぐらした光背の意匠と、片足を踏み出すような像がそう連想させるのだろう、光明皇后が蓮池を歩く姿を写したと伝えられている。
病気や貧困に苦しむ人々の救済のために社会事業を手がける慈しみ深さと、正倉院に伝わる楽毅論の頼もしい書からは意志の強さも感じられる、そんな高貴な女性が蓮池を歩く姿を十一面観音と重ねて想像してみる。
来る道すがら思い出していた、ふぢはら の おほき きさき を 、の會津八一の短歌をいい歌だとしみじみ思えた気がする。
できるわけはないが、ひとつ、私も詠んでみたくなる秋の空だった。

と、アボガドと大林でないことを捻りだしてみる。