2022.12/30
年末
どうせまた破かれるだろうからと、長年そのままにしていた猫の仕業の障子の見苦しさが急に気になりだし、どうしても年内に張り替えたくなった。
張り替え方などを検索していたら東大襖クラブというのを見つけ、興味が湧いたのでさっそく翌週に張り替えてもらう申し込みをした。
こんなサークルが東大にあるんです、と知人に話すとその人が、うちの猫は障子破かなかったなあと言ったので、
「夏に窓と障子の間に虫が入りこむと捕まえようとして障子を叩くので破けてしまうんです」
と猫を弁護した。
猫が何かを破くと言えば、爪をとぐのが一般的で、うちの猫は躾をしたわけではないが、爪をとぎたくなると部屋の隅に置いてある市販の爪とぎに歩いていき、他のところに爪をたてない。
張り替え当日に来てくれた学生に襖クラブの由来を聞くと、70年ほどの歴史があり、もともとは苦学生の生活費の足しになればと、大学近くの経師屋が技術を教えたのが始まりで、本郷にも駒場にも部室があり、現在20人ほどの部員が日々練習をしている、
学園祭では毎年襖の張り替えを披露している、
とのことだった。
私は苦学生という言葉をずいぶん久しぶり聞いたのと、経師屋の主人の心意気に感じ入った。
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移転後は事務所となり、ご不便をおかけしております。
私自身も不便でなりませんが、お陰さまで今年も穏やかに年の瀬を迎えることができました。
どうもありがとうございました。