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在庫

まとまった数の郵便物用の切手の購入と発送は、東京中央郵便局を利用するのが30年来の慣わしだ。
今回も切手を選びに出かけたのに、これで出したいという記念切手がなかったのは初めてのことだった。
私はなぜか、なるべく古美術に関係のない切手から選ぶことを課題にしている。
今回は古美術に関係した切手を選ぶことになるのかと諦めたが、やはり無関係なものから選んだ。

昔はよかった。
東京中央郵便局の敷地に超高層ビルの建設工事を始める前までは、地下の殺風景な一角に、在庫がある何年も前からの記念切手が数十種類も販売されてた。
数年の間に種類は減ってきても、選ぶ余地はありすぎるほどだった。
その頃のことだからもちろん手でちぎる切手だ。


ここまで昔は知らない

*     *     *


催事と事務所移転のお知らせをインフォメーション欄にあげました

移転

事務所を飯田橋から九段北に移すことになりました。
少しの内装工事を済ませましたら、8月中は雑多なことを片付けて、、

9月上旬からは、事務所にいる時にはお客さまにお越しいただけるようになっている、、

そんな予定です。


6月 某日 晴れ

これまでの住まいも店も昭和30〜40年代主義を貫いていたのにとうとう平成築の建物に入ることになった。
建物前に植え込みがあり、初めて室内を見に来た時には、そこに植えられている1本のゆったりとした枝ぶりのバラの木に、薄桃色の一重のバラが数輪咲いていたのが気に入った。
仕入れたことはないが、李朝中期の白磁の立壺に生けてみたいバラだと思った。


7月 某日 晴れ

忙しくて数週間あいたが、間仕切り壁などの計画をしに移転先を訪れる。
バラの花は終わっていて、葉は虫に食われて枝だけになっていた。
向かいの神社が創建時に巡らしたままの、古いコンクリート製の塀越しの木々から蝉の声が溢れるように聞こえてくる。
夕方には蜩の声も聞けるのだろうか。
この建物は平成生まれでも、少し昭和を感じられる。
平成5年築とのことだが、もう30年経っている。


7月 某日 晴れ

建物の大規模修繕工事も始まり、植え込みのバラの他、生えていた南天なども根本から掘り起こされてなくなっていた。
3ヶ月後に工事が完了して、もしも植栽に注文をしてよいなら、百日紅を希望してみたい。



七月

青花の骨董祭を終えてから月も変わってしまいました。
お陰さまで今回も無事に、また、皆さまと楽しい時間を過ごさせていただき、大変遅ればせながらではありますが、お礼申し上げます。
どうもありがとうございました。
次の参加催事は、今年も抽選に当たりましたので、東京美術倶楽部主催の東美アートフェアです。
10月の開催ですが、先月から美術倶楽部への提出物など、準備は始まっています。
近くなりましたらあらためてご案内いたします。





催事


催事としてすっかりお馴染みになりました、「青花の会|骨董祭」に今年も参加いたします。
久しぶりに皆さまとお会いできましたら幸いです。

開催日
6月9日(金)17-20時 *内覧会(青花会員及び御招待者)・販売有
6月10日(土)11-19時
6月11日(日)11-17時

会場
√K Contemporary|東京都新宿区南町6

入場料 1000円
*2日間(6月10-11日)共通/小冊子付/再入場可
*青花会員は無料です
*入場券は10日午前11時より会場受付で販売します

更なる詳細は、こちらをご覧ください。
https://www.kogei-seika.jp/seikafes/2023.html

どうぞよろしくお願いいたします。


5月 某日  晴れ

品物の写真を撮るには自然光や壁の具合が今の事務所よりも自宅のほうがまだよいようなので、骨董祭恒例の、出店者によっては提出期限までに設定することが苦しみの、「おすすめの品物」を持ち帰り、写真を撮る。
骨董祭恒例の、出店者によっては苦しみのアンケートにも大真面目に取り組む。




切手

 
2月 某日  晴れ

イチゴの花と実を写生風に描いた切手で知人から封書が届いた。
何のシリーズの切手か検索すると、文政十一年に完成した日本最初の本格的彩色植物図鑑、『本草図譜』の明治初期の写本から十種の植物を採用したものだった。
イチゴの他は、

ビワ
ダイダイ
アンズ
キンカン
ワサビ
ニンジン
エンドウ
フキ
ダイコン
だった。

画像を見ると、地味な色合いのものもそれぞれにきれいだが、私はやはり、可憐さではイチゴが一番だと思った。


3月 某日  晴れ

友人から届いた封書にまたイチゴの切手が貼ってあった。
青山の花屋では毎年4月ごろだったか、鉢植えのイチゴが売られていて、実を食べるためではなく花と葉を須恵器やガラス瓶に活けるために買っていたことを思い出した。
今の事務所では張り合いがないので花を活ける生活から遠ざかっている。


3月 某日  雨

知人の個展の案内にまたイチゴの切手が貼られていた。
このシリーズの切手では、他の植物で届いた郵便物はない。
これはもう、差し出し人にとって私はイチゴのイメージなのに違いない。



資源回収日

 
2月 某日 晴れ

資源回収日の朝、部屋に溜めていた段ボールを玄関の外に担ぎ出した折に奥床しく漂ったのは、昨日焚いた真言密教寺院、東寺で販売されているお香の香りだった。
京都の老舗薫香製造店によるもので、南都寺院の、いかにも寺、と言う感じの香りとは雰囲気が違い、どことなく甘やかだ。
焚いている時に香るのと、焚きしめられたものからふとした時に香るのとでは、なるほど、趣きがちがい、平安貴族の暮らしを思った。


季節のマッチも愉しむ

東寺 風信香
元興寺 仏足香
東大寺二月堂 補陀洛香

元日




切ったアボガドの実がこの上なくきれいで美味しかった 

新春のsnsで掛軸を紹介しようと写真を撮っていたら軸先に施してある漆が経年劣化で剥がれたので軸先を新しく交換して貰わねばならなくなった(むろん、有料)

毎年初詣に行っている神社のおみくじで大吉をひいた

単純な勝敗で見ると2対1だが、なんとなく引き分け気分な元日の出来事だった。

*

穏やかな一年となりますよう
本年もどうぞよろしくお願いいたします

令和五年 卯年

年末

 
どうせまた破かれるだろうからと、長年そのままにしていた猫の仕業の障子の見苦しさが急に気になりだし、どうしても年内に張り替えたくなった。
張り替え方などを検索していたら東大襖クラブというのを見つけ、興味が湧いたのでさっそく翌週に張り替えてもらう申し込みをした。

こんなサークルが東大にあるんです、と知人に話すとその人が、うちの猫は障子破かなかったなあと言ったので、
「夏に窓と障子の間に虫が入りこむと捕まえようとして障子を叩くので破けてしまうんです」
と猫を弁護した。
猫が何かを破くと言えば、爪をとぐのが一般的で、うちの猫は躾をしたわけではないが、爪をとぎたくなると部屋の隅に置いてある市販の爪とぎに歩いていき、他のところに爪をたてない。

張り替え当日に来てくれた学生に襖クラブの由来を聞くと、70年ほどの歴史があり、もともとは苦学生の生活費の足しになればと、大学近くの経師屋が技術を教えたのが始まりで、本郷にも駒場にも部室があり、現在20人ほどの部員が日々練習をしている、
学園祭では毎年襖の張り替えを披露している、
とのことだった。
私は苦学生という言葉をずいぶん久しぶり聞いたのと、経師屋の主人の心意気に感じ入った。

* 

移転後は事務所となり、ご不便をおかけしております。
私自身も不便でなりませんが、お陰さまで今年も穏やかに年の瀬を迎えることができました。
どうもありがとうございました。

初出店

 


このたびの東美アートフェアは3年ぶりの開催、賑やかな3日間でした。
初参加の草友舎も無事に会期を終えることができました。
京橋の店舗の閉店以来、4ヶ月ぶりにする品物の陳列作業も嬉しく、ブースをご覧の皆さまと楽しいひとときを過ごすことができました。
どうもありがとうございました。


10月 某日  曇り

今回が初参加の催事は少し改まった催事なので、その雰囲気に合わせようとsns の投稿をするにつけても自分のブースに立つにつけても私は背伸びを試みた。

2022 東美アートフェアのご案内


東美アートフェアの開催が近づいてまいりました。
初出店の草友舎は、慣れない事務所で品物の詳細写真を撮る場所にも困り、パソコンの住所録から宛名ラベルをプリントに出すことも出来ず、、いろいろと滞っていましたが、ようやく落ち着きました。

このたび草友舎でもリーフレットを作りましたので、ご希望ございましたらお送りいたします。
こちらのメール、またはインスタグラムのダイレクトメールにお名前とご住所をお送りください。


アートフェアについての詳細は、東京美術倶楽部のホームページよりご覧いただけます。
https://toobi.co.jp/artfair

日本橋、京橋でも催事が開催されています。
秋の一日、双方お楽しみいただけましたら幸いです。
インスタグラム @misenite2022