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11月  某日       晴れ

移転先の内装がほぼできてきた。

『室内のもつ性格を感じとり、なるべく作り込まずにさっぱりと』を、モットーに工事内容を考えて、仕上がりが見えてきた室内は、、、

いささか動揺する。
 こ、これは、、、
古びた普通の事務所が、ただ真新しくなったようなだけである。

少しは骨董屋さんらしく見えるよう、越してきてから工夫することにする。


11月   某日        雨

越してきてから工夫する、と気をとりなおそうとはしたものの、まんじりともせずに夜があける。
自宅の室内にさがっているいくつかの電傘をやにわにコードごとぬきとり現場に持ち込む。
灯ると、ほんのりとではあるが骨董屋っぽくなった(ような、、)。