法隆寺百万塔
天平時代
高さ 21.4cm
「青花の会|骨董祭」の、草友舎の1日目(6/9より販売)の推奨品です。
https://www.kogei-seika.jp/seikafes/2023.html
百万塔の造営は、764年に勃発した恵美押勝の反乱を平定後、亡くなった兵士の鎮魂と国家安寧の祈り込めて、称徳天皇の発願により始まります。
『無垢浄光経』の諸説に従い、百万基の塔を造立し、その各々の塔心に陀羅尼経を納入したもので、大和八大寺など十箇寺に十万基づつ奉納されました。
この一大事業を、四年間に完成させたと伝わる淀みない手仕事の美しさは、当時の職人の木材を扱う技術の高さを示しています。
一見、私的な感情の入る余地のない造形に身が引き締まりますが、ヒノキに白土を施した風合い、柔らかな線を含む佇まいには、唐の影響を色濃く受けた時代であっても日本的な美意識も反映しており、天平時代の古建築を彷彿させてくれます。
百万塔は現在、法隆寺に伝来するのみで、明治に興った廃仏毀釈で荒れた寺の復興のため、その一部が民間からの寄付金に応じて頒布されました。
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こちらの百万塔は、三層のうちの上層が一部欠けて同時代の別片を継いでいますが(最後の画像)、全体に白土も多く残っており、状態はすっきりとして良好です。
世界最古の印刷物、自心印陀羅尼有り。
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